数は少ないものの、診療看護師が老健で働くこともあります。診療看護師は、NPと呼ばれ、大学院の修士課程で、医学知識を学び、初期医療も実践します。診療看護師は、医師が不在の時でも、厚生労働省が認めている特定行為を実践できます。
また、医師の直接指示によって携わることができる相対的医療行為も行えます。例えば、気管内挿管、腹腔穿刺などです。診察看護師は、看護と治療の両面から、患者とその家族を支援することができます。
老健は、リハビリに重点を置いており、特別養護老人ホームなどと比べると要介護度の低い方が入居しています。急変に対処することも少ないです。そのため、老健で診療看護師が働いても、医療行為に携わる機会は病棟ほどありません。
ただ、老健によっては、診療看護師を配置して、入居者の健康状態が良くなったり、服薬の数が減ったという結果が出ているところもあります。診療看護師は、看護の視点と医療の視点で入居者のケアができるからです。慢性疾患をもつ入居者に対して身体診察等も行うので、入居者の体の状態をより深く把握することができます。
服薬に関しても、医師、薬剤師とコミュニケーションを取り、不要と思える薬に関しては、量を減らすなどの提案を行います。入居者が自宅復帰してからも、自分で服薬管理ができるようにサポートすることもあります。
診療看護師に対しては、資格手当を出すところも多く、収入面でもメリットもあります。 看護師として5年の実務経験を積んだ後、診療看護師大学院のNP養成コースで2年間学び、NP資格認定試験に合格すれば、診療看護師として働くことができます。